10/1のねこさん 文は田島薫
新しい展開
先週、自転車でいつものように食料の買い出しに出かけた途中のねこよこちょう角の
家の庭(ここまで先週の出だしの使い回し)、少し涼しくなって来たからまたねこさ
んいるんじゃないか、って思った通り先週と同じ汚れたぞうきん色の(よく考えてみ
るとこの形容はちょっと失礼だったかもな)ねこさんが、ここで突然、このねこさん
の形容が変わります。シックな色合いのねこさん、ってことでひとつ、その、シック
な色合いのねこさんが、またテラスデッキの下にいたんだけど、先週より建物寄りの
縁台のそばで私に尻を向け、なにやら白いおわんのような器から何か食ってる。
で、しばらくながめてると、食い終わったらしく、柔軟体操のようにゆっくり体をゆ
すったりあたりをながめまわしたりしてから、私に気がついたようで、ちょっと、固
まってから、その場で寝そべった。
や〜、やっぱり奥さんいい人なんだよな、こないだなんかあの広い台から追い払われ
たような気分だったんで、奥さんいる時はあそこ行かないでおこうかな、って思って
たんだけど、きょうあそこにいると下に奥さんいてさ、なんか言ってるからさ、あ、
やっぱりここに乗っちゃだめだ、つってんだな、って思って下へ下りたらさ、ここだ、
つってさ、おわんのエサ食え、ってすすめてくれたんだよな、え?いいの?つってさ、
奥さんとなかよしになったわけさ、さて、満腹んなったから、あの広い台上がってく
つろぐことにすっかね〜、つって、後ろ見てみる、つーと、またあのまぬけづらが、
こっち見てるね〜、こないだ、ここのこの地点に用があるんだ、くつろぐ場所なんだ
ここは、って言っちゃた手前、すぐに台上がるわけにはいかないね、しょーがない、
また、まぬけづらが行くまでのしんぼー、や〜、くつろぐね〜、この石の上は、ちょ
ーどぼくのおなかのツボを押してくれてさ、なんちゃって。