2/28のねこさん 文は田島薫
植木ねこ
晴れた土曜の昼過ぎ、例によって自転車で食料の買い出しに出かけると、ねこよこちょう
入口角の家のテラスのよこの瀬戸物の植木鉢の上に黄とらが丸くなってたんで、見てると、
向こうもこっちを見てる。特にそれ以上の動きがないんで立ち去り、買い物済ませて戻っ
て来てまた見てみると、今度は植木鉢いっぱいに身体を伸ばして脱力していた。
ここのテラスは居心地いいんだけど、たまに奥さんが出て来ると落ち着かなくなっちゃう、
って問題点があんで、なるべく奥さんに見つからないでくつろぐ方法はないかな、って思
っていろいろやってみたんだけど、この木と土が入ってる入れもんの上、いいんじゃね〜
の〜?、ほら、も〜、ぼくは人から見えないんじゃね〜の〜?入れもんや土と一体になっ
ちゃってますから。ほら、なるべく身体全体を丸くして、土のふりしちゃってますから。
あ、だれかがこっち見てるぞ、ぼくは土ですよ〜、ほら、動かないでしょ。じっと見て、
動くんじゃないか、って疑ってるね〜、ほら、動かない動かない。ね、土でしょ。ほ〜ら
土だって信じてもらえたよーだね〜。ん〜ん、だけど、土にしか見えないのはいんだけど、
このま〜るくなってる体勢疲れるね〜、これだと本来の目的とずれてきちゃってね〜か〜
?、こ〜、全身の力抜いてなんとかならないかね〜。こりでど〜だ、ん〜んい〜かもしん
ないね〜、も〜、土そのものだね〜ぼくは。