7/4のねこさん 文は田島薫
黄とらのいばしょ
茨城から帰った翌日、都内へ用で出かけた帰り、ねこよこちょう入口角の家の庭をのぞい
たら、テラス手前の縁台の下に黄とらが寝そべっていた。で、日曜の午後、自転車で図書
館へ行く途中そこをのぞいたら、同じ位置に同じねこさんが同じように寝そべっていた。
で、図書館の帰りにまたのぞいてみたら、まだ同じ位置に同じねこさんが同じように寝そ
べっていた。
や〜、あち〜ね〜、毛皮着たぼくらはも〜まいっちゃうんだよな〜、だからみんなもこの
ごろあんまり表に出て来なくなっちゃって、家ん中入れてもらえるやつらは涼しいとこに
いんだろな〜。家ん中入れてもらえない連中はってーと、どっか涼しい木立の多い公園の
木陰なんかにいるのがふつうなんだけど、だったら、なんでぼくがここにいっか、ってゆ
ーと、ここの奥さんが僕に首輪つけたりして、もしかして家ん中入れてくれんのかな〜、
って思ってるからなんだけど。でもテラスで待ってると、入れてくれそうなくれなさそう
な、ってへんなんだよな〜。もっとも、奥さんがそば来るとぼくの身体だけが勝手に逃げ
ちゃうもんでどうしたもんか、ってとりあえずこの縁台の下が暑さが少しゆるいんで、い
つもいることになっちゃってるわけなんだけど。こ〜やって、いつになるかわからない涼
しい夢をかかえながら、あんまり涼しくないここでひと夏過ごすんだろか、ぼくは。