6/20のねこさん 文は田島薫
ねこさん発見
茨城に来てからねこさんいないんで、ねこ日記困ったな〜、って思ってたら、いたいたー。
先週、燃えるごみをユンボーにのっけて、さいたまの家の時の4倍ぐらいの距離にある集
積所に置いて帰って来た道の向こう側の横道のずっと奥、どっかの家の庭から、ふいに白
っぽい三毛のようなねこさんが出て来て立ち止まり、こっちを見た。私もじっとながめた
ら、ねこさんの方もこっちをじっとながめてる。時間が止まったような長い2分間ぐらい
ながめあってから、もーいっか、って私の方が先に歩きだした。
や〜、ぼくはこのあたりのねこなんだけど、草ん中で虫追っかけてるばっかりじゃ飽きち
ゃったし、あんまり遊び相手もいないし、かまってくれる人間もいないんで退屈なんだよ
な〜、さて、ま、あんまりおもしろくもないけど、そのへんの農道でも散歩してくっか、
って言ってると、あれ?向こうでこっち見てる人間がいんね〜、おかし〜な〜、ぼくを見
てんの?ぼくの後ろのだれか見てんだねきっと、後ろふり返って見てみよ〜、あれ?ぼく
の他にだれもいないぞ、だと、ぼくを見てんだ、へ〜、珍しい人もいるもんだね〜。じゃ、
ぼくの方も見てやんのが礼儀だね。じー、っと。こんちは!珍しーあんたは、どこのおっ
さんでっか?なんか用でっか?いっしょに遊びまっか?なんだか笑ってるよーだね、無気
味だね〜、こっち来るようだったら逃げちゃうことにすっか。じー、っと。あれ?も〜行
っちゃうぞ、な〜んだ、ただのねこ好きだったか〜。