11/29のねこさん 文は田島薫
駆け込みひなたぼっこ
土曜の昼過ぎ、自転車で食料の買い出しに行く途中、このごろはたいていねこさんがいる
ねこよこちょう入口角の家の前に止まって、庭先のデッキの方をじっとのぞいたら、ねこ
さんの代りに少し顔色の悪い人間のおっさんが椅子に座ってて、こっちと目が合っちゃっ
て、怪訝そうな顔されたもんで、すぐに立ち去った。
午後4時ごろまた自転車で図書館の帰り、ちょっと寄り道してさっきのデッキの方見てみ
たら、おっさんはいなくて、今度はぶちと茶のねこさん二人がデッキの手すりの台の上で
背中丸めていた。
や〜、きょうはちょうどひなたぼっこ日和ってことで、ここ来てみたら、人間が先にいる
もんで、じゃまだから出てってくれよ、ここはぼくらのもんなんだから、って言おうかな、
とも思ったんだけど、どっちかって言うとその人のもんのような気がしたから、場所が空
くのを外でずーっと待ってたんだよな〜、で、やっといなくなったんで、ここ上がってみ
た、つーわけなんだけど、あ〜あ〜、おひさまがそろそろ帰っちゃう時間だね〜、ほんの
少し陽があたってるとこへ移動して、う〜、あんまりあったかくないね〜、でも、あんだ
け待ったんだから、なんとかちょっとはひなたぼっこして行かないと気がおさまんないん
だ、ちょい寒いけど、ガマンシテ、う、悪寒が来たね〜、な、なんだか、体に力入っちゃ
うぞ、ひなたぼっこ、ってこんなんだったっけ。