8/30のねこさん 文は田島薫
涼を探すくろとら
先週の炎天下、自転車で食料の買い出しに行く途中のねこよこちょう、さすがのこの暑さじゃ
ねこさんどこにも見あたらないだろうなー、ってあきらめてたら、緑の多い一軒の家の鉄の門
扉の中にくろとらさんが座ってた。
植え込みの前の日陰でじっとしてるんだけど、あまりくつろいでる風でもなく、少し目がうつ
ろに、そばでながめる私の方を見てる。しばらくお互い見合ってたんだけど、急に立ち上がり、
すぐ横にあった車の下にもぐり込んで行って私からは見えなくなった。
あんまり暑いもんで、少しでも涼しいとこ探しながら、この家来たんだけど、ま、ちっちゃい
木なんかがけっこう植わってて涼しいよーな気がしたわりに、そーでもないんだよな〜、う〜
ん、と言ってこのあたりにもっと涼しそうな場所も思いつかないし、また日なた出て歩きまわ
って行き倒れになっちゃうのもみっともないわけで、ここを動けない、ってことになってるん
だけど、そんなぼくの苦労も知らないで、間抜けな顔した人がこっち見て笑ってるね〜、なん
でしょうーか?ぼくはあなたの相手なんかしてあげられるような心の余裕はないんですけど、
暑さからどうやって逃げようかと戦い中なんですけど、う〜ん、まだ笑ってるね〜、ただでさ
え暑い上に、うっとーしー不愉快さが追加になっちゃった、ってこの現状、うにょし、いちか
ばちか、この車の下へ退散。(ん〜ん、意外にあたり〜)。