8/9のねこさん 文は田島薫
ひかげのひるね
猛暑の土曜の昼過ぎ、自転車で食料の買い出しに出かけた時、ねこよこちょうの入り口角
の庭のある家の庭がない方の裏手の敷石の日陰で白いねこさんが寝そべって眠ってるのが
見えた。目つぶって眠ってるわけだから、ねこさんがこっちを見ることもなく、私の方も、
あ、眠ってるな〜、って見るだけ、さて、他に出会ったねこさんもいないことだし、これ
をコラムのネタにしてみっか?、って、おいおい、どーすんの?
ん〜ん、ぼくは眠ってるわけなんだね〜、意識がないんだね〜、…じゃ、困っちゃうじゃ
ね〜か〜。あ、そか、でも夢を見てるんだね〜。ぼくは暑〜いサファラ砂漠をずっと歩い
て来て、やっとオアシスに辿り着いたとこなんだね〜。冷たくておいしい水をたっぷり飲
んで、おいしい肉と魚もいただいて、クレオパトラのような娘さんのひざまくらで昼寝を
してるとこなんだね〜。ぼくはなんだか栃木弁のあのひとになってるよーなんだね〜。オ
アシスの水辺から涼しいそよ風が吹いて来てぼくの体をやさしく包んでくれるんだね〜。
小鳥が歌ってるね〜。水の流れる音もすんね〜。平和なんだね〜。