11/16のねこさん 文は田島薫
ぼくのガーデン
先週、晴れた日の昼過ぎに、自転車で食料の買い出しに出かけて帰って来る途中、ねこよ
こちょうをぬけて曲る角の家の庭のまん中に、ちょっと毛並みのみだれたワイルドな感じ
の小柄なみけねこさんがいた。
その家は1〜2年前にレンガなんかを多用してきれいに建て替えて、庭にもレンガを敷きつ
めたり花壇を並べたり、けっこう広くて美しい造りなんだけど、いつも昼間は住人が留守
のようで、ねこさん、のんびり毛づくろいなどしている。
や〜、きれいな花やなんかに囲まれて、きれいなレンガの上で、昼寝したり伸びしたり、
サイコーに気持いいね〜、ここんちの庭は昼間は完全にぼくのものなんだ。
ここんちの人は働きもんで、長い年月夜までせっせと働いて、お金ためて家や庭をきれい
にしたんだけど、とっても贅沢な作りが好きだから、それの妥協はしたくない、ってゆず
らない、ここんちの人は、けっきょくためた分だけじゃ作るのに足りなくて、銀行から、
その分のお金を借りたもんで、まだずっと夜まで働かなくちゃいけないようなんだ、だも
んで、ここの庭の一番美しくて気持のいい時間にここにいることができないみたい。
せっかくだから、そんなもったいないことにならないように、代わりにぼくがボランティ
アを買って出たってわけなんだ。もっとも、ここんちの人はそのことは知らないんだけど。
じゃ、ここで、ここんちの人へぼくからこころのメッセージを送っちゃおう、安心してく
ださいよー、美しい庭はぼくが代わりに楽しんであげてますよー。