7/27のねこさん 文は田島薫
おあいそう
先週の午後、家人と都内へ用事で出かけた帰り、最寄り駅からの途中のマンションの前に、
中くらいの大きさのねこさんが3びきいて、そばでショルダーバッグの若い女性が中腰で、
彼らとコミュニケーションとろうとしてた。
女性はねこさんとのつきあい方を心得てるらしく、強引に近寄ってさわろうとするんでは
なくて、少し離れたところからおずおずと手を伸ばしてゆっくりひらひらさせたりしてい
るんだけど、ねこさんたちは、2ひきが首だけはそっち向けてるものの寝ころんだままだ
し、他の1ぴきだって立ち上がって、少し近づく素振りをしてるけど、ちょっとめんどく
さそう。
あれ、またねこ好き少女がこっち寄って来るよ〜。ま、ぼくたちは可愛いわけだからそば
来て頭のひとつふたつもなでたい気持もわかんなくはないけど、この暑いのにめんどーだ
ね〜相手してやんのは、も〜食事も済んでるし、なんか食べ物くれるって言っても、そ〜
と〜んんまいもんだったらベツバラってこともできるんだけど、たいていなんだか、乾燥
んんこみたいなのをぽろって投げられて、さあ食えって言われても、困んだよな〜、おあ
いそで無理して食べるもんだから、ぼくのかーさんなんかメタボになっちゃったのに、世
の中には食べたくても食べるものなかなかもらえない仲間たちもいるんだから、感謝して
食べなくちゃいけない、なんて言うし。とーとーそばまで来ちゃったよねこ好き少女。ん、
でも食べもん持ってないみたいだな〜、腹いっぱいとはいえ、もし、ぼくらが腹ぺこだっ
たらどうなるんだ、ただで頭だけなでさしてくれ、ってか〜?おいおい、ぼくらんとこ来
る時はんんまいもんのひとつも持って来るのが礼儀ってもんじゃないのか?え?、ま、い
っか。そんなにいじめちゃ可哀想だ。おい、ミケジロー、おまえ行ってちょっと相手して
やれよ。ぼくかい、ぼくはこないだ別のねこ好き少女の相手してやったから、今度はミケ
サブローの番だよ。そか、じゃ、ミケサブロー!しょーがないな〜、じゃ、よっこらしょ、
って立ってと、んと、ここらへんで立ち止まり、にゃ〜。