4/20のねこさん 文は田島薫
うしが遊びに来る
先週の終わりのころだったか、用事で事務所の仕事を中断したか早仕舞をした時、(おい
おい、ずいぶんあやふやな記憶だね〜、無理矢理ネタ思い出してるからな〜)1階のガラ
ス戸の外、奥の家のアプローチにそったフェンスの下側のコンクリの土台にわざわざまた
がったような妙な姿勢でなんだかあがきながら歩きにくそうに前進んで行く白地に黒のは
んてんのねこさんがいた。
どっかで見たことある背中と尻の黒い模様、ホルスタイン、ずっと以前、同居人と外出し
て家から3ブロックぐらいのとこで会って、同居人と、うしだうしだ、って言ったら、ふ
り返って、失敬だな、って顔をしたねこさんだった。
今まで私が知り合ったねこさんはどれもあんまり遠くまで移動しない印象を持ってて、3
ブロック、っていうのは、私が確認した中では最長の距離の部類だ。
うっしーが(ここでいきなり命名)こんな遠くまで来たのはなんの用だろ、って言っても
ねこさんにさしたる用事があった、って話はあんまり聞いたこたないし、ま、遊びに足を
伸ばしたってことでいいんだろうと思うんだけど、遊びっても、この季節、ガールハント
ってことなのかもしれない。
きっと近くにかわいこちゃんのにおいを感じて、自分のかっこよさをアピールしよう、っ
て考え、ちょっと無理してフェンスとすきまの土台の上をかっこよく歩いてみっか、って
始めたら、予想よりも天地せまいもんで、あせったら、足踏みはずしちゃって、フェンス
と土台にはさまれた形になり、それでもなんとか平静を装って、前へ進んで行くことにし
たんだけど足はずれるし、カックワリー、見てると後ふり返り、もんくあっか、って顔。