5/19のねこさん 文は田島薫
王さまねこと家来ねこ
きょうはとなりのバレエ教室の玄関前の車の屋根に梅ちゃんが乗ってねそべってから
少しして立ちあがりあたりを見回してから、そこから下りてどっかへ出かけた。
きのうは、ウスチャとらが自宅の前を横切って、となりのアパートの駐車場の方へ歩
いて行き、うまちゃんは奥の家へのアプローチのフェンス沿いに歩いてバレエ教室の
わきへ消えて行った。
で、同じくきのう、自転車で図書館に本を返しに行った帰り、前にひなたぼっこして
るねこがいたアパートの路からわが家に向かうために左折する対抗の角が車6台?分
ほどのじゃりを敷いた小さな駐車場で、車は1台も止まってないまん中にちゃとらが
王さまのように悠然と寝そべっていて、こっちと目が合っても、なんだねきみは?っ
て感じで堂々とした態度。
あ、王さまでしたか、って納得してその場を離れ、最初の計画通りに路を左折すると、
今度は向こうからうすちゃみけが路の左側に並んだ住宅の塀にぴったり沿って小走り
にこっちへ来るんで、自転車止めると、向こうも立ち止まって、こっちを見上げ、怪
訝そうな顔で、こっちも、なんだきみは?って言ってるようなんだけど、さっきの王
さまにくらべると、ちょっと、目の奥が怯んでいる感じで、いざとなればいつでも逃
げちゃおう、って風。
さっきのが王さまで、こっちはそれのお使いに出て帰って来た家来、ってようにも、
見えるんだけど、ただ、人間との間合いの違いで、安心度の差が出てるだけかも知れ
なく、「王さま」のそばに、「家来」が行って、おいっ、そこどけよ、って言って、
「王さま」が、はいわかりました、って立ち去ることもありうる。