2/25のねこさん 文は田島薫
ねこよこちょう
いつの間にか、寒い日の合間にかなり暖かい日がある季節になり、自宅の斜め
前の鬼山さんちの庭に白梅が咲き始めたりして、ねこさんたちも顔を出すよう
になってきた。
先週はうまちゃんの他、ウスチャのとらがわが家の雑草の庭に入って来てから
こっちがよっ、って声かけたら、ちょっとにらんでから向きを代えてゆっくり
立ち去って行ったし、金曜の朝燃えるゴミを出して帰って来るとバレエ教室の
夫婦が車で出かけるところを見送りしてた梅ちゃんに、しゃがんで手招きした
ら、ちゃんと歩いて来て、なでられてはまた少し離れてあたりをうかがって、
また戻って来て、またなでられては、また離れてあたりをうかがって、また、
戻って来て、って、オイオイいつまでやんだ、って感じだったし。
土曜の午後に自転車で食料の買い出しに行くいつものコース、ギア軽くして坂
を登り、ちょっと先を左に入った住宅街の小道、いつもはだれもいないのに、
暖かいきょうは、子どもが遊んでいて、買い物済まして戻って来ると、その手
前の小道に、こげチャの若いねこが歩いて来て声かけたら、垣根に入る手前で
立ち止まって振り返ってずーっとこっちを見てる。
や〜、よかったよかった、新しいねこさんと会えた、って満足しながら、自転
車を進めるとさっき、こげチャが出て来た庭のなかに白っぽい太めのねこがい
て、こっちを見て少し慌てたように、無意味に両手両足を動かして見せた。
や〜、思いの他の大漁だ、ってますます満足して自転車進めて、小道の角を曲
って、さっき子どもがいた小道に入ると子どもがもうひとり増えて、ふたりで
スケボーをやってるようだ、そっち見て、足元見たら、あれ、太ったくろとら
が自転車に気づいてとととと、と早歩きして、私のよこを斜にそばの住宅の庭
に入りこんでから、じっとこっちを見てるんで、ちょっと止まって、こっちも、
そっちをじっとながめさしていただいた。
しかし、このあたりの露地にこんなにねこさんいたとは気がつかなかったな〜。