8/25のねこさん 文は田島薫
かなたのねこさん
お盆の後は雨降りが続いたりで、やっぱりねこさんほとんど見なかったんで、必死
に考えてみたら、2階の居間の窓や事務所から道路の向こうの方ににいる遠くのう
まちゃんに声かけて、振り向かせて立ち止まらせた他に、もう一件。
雨降りそうなんでその前に、って土曜の昼前、自転車でいつもの店へ食料の買い出
しに行った帰り、1本手前の道を左折しても、その先の道を左折してもいい、って
ねこよこちょうの場所があり、先の道を行くとらねこさんが目に入った。
そのまま進んでねこさんのそばを追い抜きがてらごあいさつや観察させてもらって
もよかったんだけど、どうもその歩き方がゆったり気持よさそうに見えて、ぼか〜
午前中の散歩を人にじゃまされたくないんだよな〜、って言ってるように感じたも
んだから、思わず手前を左折してしまった。
それでその道をしばらく真直ぐ行って右折、で真直ぐ行くとその先の右手は、ねこ
さん追い抜いて行った場合に一本先を左折して進んで出て来る道だ。
その出口で止まって、向こうの角からさっきのねこさん出て来るはずだ、って待っ
てた。
さすがにゆったり歩くねこさんより人間がこいだ自転車の方が速いもんで、ねこさ
ん、なかなか出て来ないもんで、角の手前でどっかに入っちゃったかな、って不安
に(大げさ)なり始めたころ向こうの方に米粒のようなねこさんらしき形が現れた。
こっちはそれを意識してるからやっと見れてる、ってレベルのもんなんだけど。
で、ねこさんらしきもんが角を左折してこっちに向かって歩いて来る。こっちもハ
ンドルにあご乗せてじっと見てる。
のそのそのそのそ、進んでるんだか足踏みやってるんだか、はるかかなたで、足の
動きが止まった。どうやらこっちに気がついたようなんだけど、向こうの表情なん
かはさっぱりわからない。
やがてまた歩きだしたねこさんらしきもんはしばらく歩いてからわきの家に入って
消えたんで、私もやっと出発した。