11/27ののらねこ 文は田島薫
デジャブな雨の日とクールガイ
きょうも朝から雨で、ココア食堂にはねこのお客さんの来店がとどこおってる。
って、先週の書き出しの使い回し。
午後見た時には、ちょこっとエサが減ってて、さっきバットマンが来た、って、
シャンさんが言ってただけ、ってのも、先週と全く同じ状況。
で、路地の見回りに行ったんだけど、北側にはだれもいないし、南側の弁当屋
の前の発泡の箱の上にまだらグレーが座ってたのが路地のねこのすべてだった。
スーパーでごま油とバターのバーゲンやってたんで、ストックがそれぞれ3〜4
個あるんだけど、さらに2個づつ買い足して、その袋下げて、商店街の中へ入っ
て行く(事務所と目と鼻の先にある路地みたいな狭い道の商店街で下町情緒が
ある)と、靴屋の前でうちの事務所にもたまに遊びに来る靴屋のくろとらが道
路ぎわまで迫り出した陳列台の下をのぞき込んでいるのを、見物してると、店
の中から女性店主が、ももちゃん、何見てるの、って言いながら出て来た。
ももちゃんは、それに取合わず、じっと作業を続けていると、向かいの婦人服
店からも女性店主が出て来て、ももちゃんももちゃん、って呼んでる。
靴屋と婦人服は友だちらしく靴屋は婦人服の方へ近づいて行ってから、一緒に
ももちゃんを呼ぶと、やっとももちゃん首を上げ、ふたりの方へ小走りに近寄
ったかと思うと素通りしてわきのマンホールのにおいをかいでから、一度もふ
たりの方を見ようとも振り返りもせずに、となりの花屋の店の中へ消えた。