5/15ののらねこ 文は田島薫
弁当屋ねこの負け組ココア食堂へ来るねこさん、このごろバットマンぐらいなんで、午後1で路地見回り。
1本めの路地、小さな庭には、にせつーとんと三毛の子ねこ、子ねこは玄関のステッ
プにいて、ちょっと落ち着かない素振り見せたけど、こっちが笑ったら、少し安心し
て寝そべってこっち見てる。にせつーとんはたっぷりエサもらった後のようで、満足
気に毛づくろいし続けてて、こっちに全然気づかない。
弁当屋は北側のこっちの1本めの路地と南側の2本めの路地の両方にあって、こっちの方の店の前のエアコン室外機の下の10センチぐらいのすき間にねこが熱心に首つっ
こんでその後、身体の半分ぐらいぎゅうぎゅう押し込んでるのをたびたび見かけるん
で、何やってんだろうな〜、って思ってたんだけど、きょうもとらがそうやってて、
見てたところ、中休みのように身体出した口元が動いてたんで、どうも中にエサがあ
るらしい、ってことがわかった。
そこへ、うす茶が現れて、ちょっとにらみあってから、それがこらっ、つってとらを
追い出し、今度は自分が室外機に頭と身体ぎゅうぎゅう押し込んでしばらくしてから、
身体出してひと休み、ってところを、弁当屋から従業員が出て来て、さっ、と逃げた。
多分そこの弁当屋はねこにエサやることに全員が賛成してるわけではなくて、そこの
だれかが内緒で室外機の下でエサ出してやってるんだろう。
そこいくと、2本めの南側の弁当屋の前のねこたちはみんななかよく、たむろしてて、従業員もみんなその横を普通に出入りしたり、ねこに話かけたり、で、みんなエサや
りを賛成してる模様だ。
南側の弁当屋ねこさんたちは勝ち組で、北側の弁当屋ねこさんたち負け組か、負けの方はエサ取合っちゃったりしてて、なんだか現代日本の人間社会そっくり。