1/16ののらねこ 文は田島薫
少し暖かい日冬だから寒いんだけど、何日か前までの極寒に比べるといくらか暖かいのに、
お客さんの姿は見えない。
それじゃコラムに何にも書けないので、また近所の路地を見回りに行った。
ついでに行きつけのスーパーに入ると、ごま油のバーゲンをやってたので、
まだ3本ぐらいストックあるけど、また2本買い、さば缶もまだ1ダース以上
ストックあるけど、先日のバーゲンの売れ残りを半ダース買った。
路地を行くと、どっかの家の前の植え込みに三毛の子ねこが歩きにくそうに歩いてるので、声をかけたら、立ち止まり、目を丸くしてこっちを見てる。
しばらく見合ってから少し近づくと、そのまま後ずさりして玄関前に止めて
あった軽自動車の下へ入ったので、下をのぞき込んだら、また目があった。
危ないから出て来な、って言ったけど、言うこと聞かないので、ま、大丈夫
かな、って思ってひと回りして別の路地を回ったら、きょうはそんなに冷た
くないのか弁当屋さんの横のコンクリの上にうす茶の子ねこが座っていて、
駐車場のフェンスの角に黒ねこが顔を出し、あたりを見回してから、フェン
スに飛び上がって、駐車場の中へ入った。
スキンヘッドに革ジャンの若者が通り過ぎながら、首を回してそれを見た。
やっぱり、さっきの車の下のねこが気になったので、もう一度その路地の入口へ行くと、向こうの方で、もう三毛ねこは車から出て路地わきをこっち向
いて散歩してるとこだった、こっちと目が合うと、また立ち止まって、また
あの人だなんだろう、って顔してしばらく立ち止まってから、また後ずさり
し始める気配だったので、また車の下入っちゃいけないと思い、私はすぐに
その場を去った。
ねこさんたち、きょうは少し活動的のようだ。