5/31ののらねこ 文は田島薫
かー、っと真夏の暑さの中、ドア前のエサ皿に集まって来るお客さんは見えない。もっとも、これには、それだけじゃない理由もあるのだ。
先週の木曜日ぐらいだったと思うけど、ここんとこお昼に私は野菜たっぷり暖ったか
おつゆそばを作って、シャンさんやそん時いる人に出してるんだけど、パン食、おつゆ
だけ所望のクボセンセーがたっぷり、おつゆを鍋に残しちゃったもんだで、食べっこ
ない、っていう、意見の嵐の中ねこさんに出した。
いつものかりかりの中にスープと野菜が追加され、フランス料理か、生ゴミのよう。確かに反応が鈍かった、いつまでたっても減らない。
1回バットマンが来て、においかいでから、食べずにすぐ帰っちゃった。
夕方になると、わずかに減っていて、おー、誰か食べたぞ、って喜んだぐらいで、
また、懲りずにそこにエサ足しちゃった。
翌日も同じような形のまんま減らないので、まずくて食えないって、言ってるよ、ってシャンさんが言うので、ねこさんが食えないもんを、シャンさんは食っちゃうわけだ、
って言ってみたら、あわわわ、それは言わないで、と少し慌てていた。
ひょっとすると無理して食ってるのかも、と思った私も少し慌てて、おっといけねー。
こりゃ、だめかも知んないな、と思っていたのだが、夕方、シャンさんのおー、と言う声がしたので、行ってみると、エサがほとんどなくなっていた。
田島さんの勝利だ、って彼は言った。
しかし、よく見ると、いい陽気の中で例の「おつゆ」はほとんど干あがって、菜っ葉も干からびていて、お客さんにとってのじゃまもんが勝手に消えてだけだったようだ。
そういうわけだけど、結果的にいきなり無気味なおつゆが出現したエサ皿はお客さんたちに不評を買ったようなのだ。
で、きょうもほとんどお客さんが見えないのだ。失礼しました。