7/22ののらねこ 文は田島薫
朝出勤すると、毎日朝1番のUさんがいつものように先に来ていて、Uさんが出勤した時、ねこがエサもらいに来た、と言った。
最初は彼が出勤すると逃げていたのが、ここまで慣れてきたのだ。
でも、そこでエサをやっちゃうと、毎朝やることになってしまうことにUさんは気づいて、すぐエサ係が来るから待っててね、と言ったのだろう。
見回すと、いつもの1階の物置き屋根の上でなかよしふたり組がくっついて寝ていた。注意してたのだろう、まだらがすぐにこっちに気づいて、顔を上げたので、
エサ皿を持って手招きして、エサの用意を始めたら、もうまだらは上がって来ていて、
にゃーにやー、と言った。
まだらは来たのに、つーとんの方はまだ屋根で寝ている。
しばらくすると、屋根につーとんもいなくなっていた。見回すと、2階踊り場から続くねこけものみちのむこうに最近来なかった鈴白がいて何か
を見ていて、その視線を辿ると、手前の屋根にまだらがいてやっぱり向こうを見ていた。
おーい、と無意味に呼んでみたがやっぱり私はおよびでないようだった。
またしばらくしてして行ってみると、ふたりともねこけものみちの上に移動していてさっきよりふたりの間は縮まっていたが、にらみあっているとすれば、おたがいそれほどの
敵意でもない、わりあいのんびりとした風情に見えた。
またまたしばらくして行ってみると、「にらみあい」のふたりはそこにいなくて、当人の一方はいつもの物置き屋根の上で、いつものなかよしといっしょにしあわせそうに寝ていた。