10/15ののらねこ 文は田島薫
きょうは朝出勤すると、すでにツートンカラーがドアのななめ前で待っていて、にゃーとあいさつした。
おお、三連休で腹減ったろうと言って、エサを入れてやる、でも、
すぐエサに行かないでこっちを見ている。
で、その場に寝転んでみせる。
ひっこんでしばらくして窓からのぞくと、まだ、その場にいて
こっちを見ている。
また、しばらくして行ってみると、やっとエサを食べてるようだ。
どうして、彼らはみんなああやって、余裕をみせるのだろう。のらねこの美学といったもんなのかも知れない。
そして、またしばらくして、窓からのぞいてみると、なにも喰ったおぼえはない、といった顔で彼はさっきの場所に寝転んでいる。
そこへ、彼の多分おいごさんにあたる子ねこの黒とらがやって来て、
寝転んでるおじさんの体をまたいで、まっすぐエサに向かった。
おいごさんがのらねこの美学を学ぶのはこれからのようだ。
おじさんはおいごさんの食事をずっと見守っていた。