7/3ののらねこ 文は田島薫
きょうも朝来るといつものようにエサを入れたが、やはりねこのかげもけはいもなかった。が、
昼ごろ久保センセイが出勤して来ると、シロが下で待ってるよと言い、シロシロシロほらエサエサなどと言いながら、エサの皿をベランダの
手すりの上へ持ち上げている。見ると下のネコケモノミチのブロック塀
の上に鈴志郎※が座って、こっちを見ている。(※シロネコはしっぽの
短い短志郎と長い長志郎、鈴をつけた鈴志郎(先日命名)といるのを了
解している久保センセイがシロと呼ぶのは少し失礼じゃないだろうか)
前は呼んでもたいがい逃げてしまったのだが、このごろは、逃げない。でも呼んだらすぐ来るというわけではない。…少し後で来る。
夕方はトラの小さい方だと思うのがドアの外で私と目と目がかちあって階段を逃げて行ったが、りんりんと鈴の音がする。鈴をつけてるとこを
見ると新人なのだろうか。顔の判別はまだ私にはできない。
おーい逃げなくていいよと言うと少し足取りがゆっくりになった。