3/11のしゅちょう
            文は田島薫

戦争を止める方法、について 96


ローマ法王が、戦争を終わらせるためにウクライナがロシアに白旗

を上げることは勇気ある行動だ、って発言したことが、批判を浴び

てるようで、その理由として、他国へ軍事侵攻した悪のロシアに対

して、祖国を守るために戦う正義のウクライナが降伏することは間

違ってる、ってことのようだ。

だいたい、戦争というものは、どちらかが仕掛けて、仕掛けられた

方が祖国防衛のために戦い抜くべきだ、って信じるため戦争はいつ

までも続くわけなんだけど、単純に先に軍事侵攻した方が悪、って

考えるのは一理あるにしても、戦争の実質は「殺しあい」なんであ

って、戦いの前線以外でも、自分たちの生活環境への爆撃があって

家族や友人が死ぬのが好きな者はいないわけで、それなのに、それ

が続けられるのは、それを仕掛けたり「受けて立った」国のリーダ

ーが国民にそれを強いて、その戦争継続の正当性について国民に主

張し続け、それに反対する国民を非国民のように扱うからなのだ。

国民たちも、同調圧力を駆使してその戦争に反対することができに

くくしたり、自らそれの必要性を信じたりしだすせいなのだ。

たいてい、その戦争の正当性を主張するのは、自身の環境に危険性

が薄く余裕があるか、まったく戦場と別な場所にいる者なのであっ

て、家族が悲惨なめにあってる者が戦争継続を望むはずはないのだ

けれど、そういった情況になると、人々の精神もどっか異常な偏り

に陥るもののようで、わが国が仕掛けた数十年前の戦争では、今の

ロシアの方の立場に近いのに、国民の多くは正義の戦いだと信じさ

せられて、悪の米国英国などに降参してはいけない、日本国民の最

後の1人になって竹やりしかなくても討ち死にするのがいい、など

と信じる者もけっこういた模様なのだ。

かつてどこの西側諸国でも、軍事侵攻して領土拡張した歴史がある

わけで、それは国際ルールで違法、ってことにしよう、って決めて

も、それを破ってきたのは、西側の米国であり、それには正当な理

由があると主張しても、現在、パレスチナ人たちに非道なジェノサ

イドをしてるイスラエルもそうだし、ロシアも自国の防衛のためだ、

って主張してるのだから、善悪を言ってても戦争は永遠に続くこと

になり双方の一般国民の犠牲も拡大の一方なのだ。

とりあえず白旗でも、降参でもいいから戦争を終結してゆっくりと

交渉するのが人類の叡智だろう、話し合い話し合い話し合い。




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