1/29のしゅちょう
            文は田島薫

戦争を止める方法、について 90


ウクライナもガザも即時停戦を、って多方面から意見を寄せられて

るのに一向に止まないのは、戦う双方のリーダーたちが自分の方の

正義を信じて相手の悪を信じてるせいなのだ。

そして、双方が相手が悪なのだから話し合いをしてもしょうがない、

と考え、相手の主張をハナから馬鹿げた戯れ言と断じて、真剣に聞

こうとしないから、和平交渉の進展のしようがないのだ。

ことわざにもあるように、盗人にも三分の理、ってものがあるのだ

から、十分にそれを聞いてやってから、それの理不尽さの部分を分

かりやすく指摘してやれば、どんな悪人でも少しは反省の気分にも

なるというものなのに、少しも意見を聞いてやらないから、いつま

でたっても、悪人の方は自分の理のことだけを信じて、それにこだ

わるもんだから、悪人の方もやっぱり、相手の説得をハナから聞こ

うという気分にはなれなくなるのだ。

そこへ持って来て、武力で衝突が起きれば、双方に被害も出て、双

方が相手に憎しみが増すし、だから相手は悪なのだ、って気分も増

大するんだし、双方の人々の平和だった日常がどんどん壊されたり

身内がたくさん死んだりし続けるのだから、戦争は、全く愚行その

もので、正義の戦争なんてものはおとぎ話なのだ。

きのうも、NHKの記者が、イスラエルの高官にインタビューしてた

のを見たんだけど、イスラエルの方にガザ住民への攻撃はやめられ

ないのか、って聞くと、それはハマスに言ってくれ、ハマスが降伏

すればすぐそれは終わる、って言ってる。

ハマスを犯罪集団と断じるなら、すでに、一般住民への無差別攻撃

してるイスラエルはそれ以上の重犯罪集団なのであって、一方的軍

事力で調子づいてるだけのネタニヤフ軍は、軍事力がなかった場合、

ハマスの方に降伏する、って情況もありうる立場なのだ。

ハマスの昨秋のテロで1,200人ものイスラエル人が殺されたんだけ

ど、それが起きた原因は長年、イスラエル側がヨルダン川西岸のパ

レスチナ地区への強引な入植を続けたり、石を投げるだけの抵抗に

射殺で応じたり、住民への空爆殺戮などの迫害を続けてるせいなの

に、自国民の被害ばかり強調して、桁違いに増大するパレスチナ人

の命についてはなんとも思ってないのだ。

そして、その高官、パレスチナとイスラエルの2国共存はできない

のか、って質問に、はっきり、できない、って応え、その理由を聞

くと、何千年前からここはイスラエルの土地でパレスチナ人の住む

場所はない、って言い切って平然としてる。

こういう頑固じじいに、その教条的歴史認識の乱暴さをきちんと検

証説得して、なお、あなたには、寛容、という心はないのか聞いて

みるのがまず、各国リーダーの和平提案努力の一歩なのだ。




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