7/19のねこさん       文は田島薫

灯りに顔出すニケ


私は夜一旦寝た後夜中に起き出して、トイレで読書したりするんだけ

ど、2階の台所でまず水を飲んでからトイレの洗面所で鼻うがいなど

してると、外でねこさんの声がするんで灯りのついたままの台所へ戻

って窓開けてみると、やっぱり、ちょうど窓の高さのベランダの手す

りに乗ったニケの顔がそばにあって中へ入りそうにしてる。だめだ、

って言って、一旦、となりの居間の灯りをつけてそこのガラス戸を開

けそうなふりでベランダの床へ誘導してから両方の灯りを消した。


いやいや、こー真っ暗んなっちゃって、みんなどっか行っちゃってぼ

くはひとりぼっちんなっちゃって、心細いね〜、お、そこの中が明る

くなったぞ、ひょい、って上って、おーい、だれかいるのか、おーい、

いるなら返事しろーこんにゃろ、お、開いた開いた、じゃ、中入るか

な、え?だめ?なんでなんで?お、こっちが明るくなって、そかそか、

こっちから入れてくれんのか、じゃ、ひょい、って下りて、待ってみ

っか、あり?またみんな暗くなって、戸も開かない、ときたもんだ。


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