10/31のねこさん       文は田島薫

パネのたいくつ


パネは時々ベランダに来るんで、おやつ食いたいのかと、ちょっとそ

れを鼻先に出してやっても、食わないこともあって、その時は、家人

か私がブラシをかけたりなでたりしてやるんだけど、しばらくすると

も〜い〜、って階段を下りて行ってしまう。きょうは、同じように家

人が相手してつろいでるパネのそばをすりぬけた私が、スクワットを

始めてから、ふいに裏庭に植わってるミョウガはもう出てないのかな、

って気になり階段下りて行って、そのあたりの枯れた茎を取ってると、

いつのまにかすぐ近くパネが来てて、こっちを見てるんで、こっちが

そば寄ろうとすると、避けるようにわきの方へ歩いて行き、低いブロ

ックへいの上に寝そべった。


なんとなくここへ来てみたんだけど、いつものよ〜に体なでてもらう

のも飽きたね〜、後は別に特におもしろいこともないよ〜だね〜、腹

も減ってないし、さて、ど〜すっかな、お、こんにゃろはなにすんの

かな、なんだ、いつもの変な動きするだけか、お、急にやめたね〜、

あれ?階段下りてくぞ、なんだなんだ、どーしたどした、じゃ、ぼく

も下へ下りてかなくちゃいけないね〜、お、あっちで立ち止って、な

にか持ち上げてるね〜、なんだろね〜、だいじなもんかな?うんまい

もんかな?うんまいもんなら、食ってやってもい〜ぞ。あっ、こっち

見たね、おっと、いけない、なんでもないですよ、ぼくがここにいる

のは、たまたまこっちに用があっただけなんですよ〜、ほら、こ〜や

って、ここに乗って、このあたりを見張らなくちゃいけないんだ。


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