映画だ〜い好き 文は福原まゆみ
尾形映画プロデューサーの友人が仕切る映画制作会社で働く映画好き女史が
エッセーを連載してくれてます。
映画女史、バーチャル空間に好印象のようです。
【企画マーケット】
前回書いた海外映画祭の共同製作ピッチングがいよいよ佳境に突入した。始めは1日
3件のプレゼンだったけど、明日は朝5時半から始まって1日で10件ほどある。この状
況は想定外だ。1件につき25分で休憩が5分。続く場合もあれば2時間ぐらい空くこと
もある。とにかくあと3日間、頑張らねば。
面白いのは、コロナでリアル開催ができないため、バーチャル空間でポスター展示や
上映、オープニング・パーティも開かれることだ。まず自分のアバターを作り、まる
でゲームの空間の様な世界に入り込む。私はゲームを一切やらないのだけど、これは
面白い。パーティなどどうやるのだろう、何十人も集まったらどうやって話すのだろ
う。みんな一斉に話し出したら…?そんなことを考えながらパーティ会場をうろうろ
していたら、ボランティアスタッフに声を掛けられた。それでわかったのは、近くに
来た人の声だけ聞こえ、他の人の声に邪魔されないのだ。良くできているなぁ。ゲー
ムの世界では常識なのかもしれないけど。
参加者はアバターでの参加だけど、映画祭のスタッフは写真と名前が表示されるため
それとわかる様になっている。迷子を導いたり、通訳をしてくれたり、かなり親切だ。
仮想空間には映画館やセミナーハウスもある。ビジネスマッチングで話した人と、こ
の空間で再度出会って、更に深い話もできる。コロナ問題が無ければこのシステムは
作られなかったかもしれないなと思うと、なんとも複雑な心境だ。システムだけ残っ
て、コロナには一刻も早く無くなってほしい。