●連載
虚言・実言         文は一葉もどき


横浜が縄張りの元タウン誌ライター。
貧しさにもめげず言の葉を探求し、人呼んで“濱の一葉”。
ウソ半分、ホント半分の身辺雑記を綴ります。
もどきさん、満月の呼び名の色々にイマジネーションを遊ばせたようです。



月々に月見る月は・・・


「たまには夜空を見上げましょう。今夜の月は満月ですよ。アメリカでは、満月に

毎月名前がつけられていて、今月はピンクムーンというのだそう」

こんなメッセージがライン仲間から届けられたのが4月28日。

その日は夕方から曇ってきて見られるか心配していたが、9時頃2階のベランダか

ら空を見上げると、南の空にまんまるい月があった。

やはり、その月には薄く雲がかかっていた。

だが意外や、その薄雲がかえって趣を添えている。

雲は風に流され形を変えながら、月を覆い、”ピンクムーン”というよりも、”月

に群雲”の風情である。動きがあるので見ていて飽きない。

ラインではアメリカの満月の名称を、1月ウルフ、2月スノー、3月ワーム、4月

ピンク、5月フラワー、6月ストロベリー、7月バック、8月スタンジェン9月ハ

ーベスト、10月ハンターズ、11月ビーバー、12月コールドと名付けられてい

ると紹介されていたが、いかにもストレートな表現のアメリカらしい。

昔、月の満ち欠けとともに生活していて、農作業や狩猟の目安にしていたことがわ

かる。

日本でももちろん、月は日々の生活に欠かせない目安であったが、”花鳥風月”と

いう風流の世界があり、月の名前も十六夜とか、立待月とか、有明月とか、抒情的

な名前があるのだ。

やはり、月に対しての感受性は日本人の方が鋭いような気がする。

翌日ライン仲間からぞくぞくと「ピンクムーン見たよ」のラインが届き、5月26

日はスーパームーンで皆既月食だという情報も入った。

私はそのときもぜひ月を眺めようとカレンダーにマルをつけた。

かぐや姫になって月へ昇れたらどんなにいいだろう・・・

でも、その前にワクチン打たなきゃ・・・。


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