10/18のねこさん 文は田島薫
ははにゃんこグレ
先週のある夕方、私が家人に頼まれて近所のドラッグストアに牛乳を買
いに行く途中、2年前ぐらいまで100才近いおばさんが一人暮らしして
て今は雑草が茂ってる安普請の賃貸個建て住宅の小さな石段登った玄関
前の日だまりに、わが家に居着いたねこさんたちの母親であるグレが寝
そべってたんで、声をかけたらじっとこっちを見てる。マスクとサング
ラスじゃ私がわからないかと、それを外したんだけど、やっぱり不審そ
うにこっちを見てるだけなんで、元気そうでよかったね、って言った。
いやいや、ここはいい〜ね〜、しずかで、ちょうどよくお日さまも当っ
てて気持い〜し、うとうとしちゃうよね。ん〜ん、こ〜やって寝転んで
草や風のにおいかいだり、音を聞いたりしてるのはシヤワセだね〜、腹
へったら、あそこへ行ってだれかが用意してくれてるごはん食えるし。
このあたりはい〜人ばっかし住んでる場所なんだよね、てなこと思って
ると、だれかがそば立ってるね。だれだろ〜ね、あやし〜ね〜、お、顔
を出したね〜、どっかで見たことある気がしないでもないね〜、なんか
言ってるけど、多分い〜人のひとりなんだろね。