映画だ〜い好き        文は福原まゆみ


尾形映画プロデューサーの友人が仕切る映画制作会社で働く映画好き女史が
エッセーを連載してくれてます。
映画女史、なつかしい言葉に再会しました。




Zoetrope ALL STORY


近所のBook OffでZoetrope ALL STORYなる本を見つけた。「極上の読書リゾートへ

ようこそ!!」と、表紙にシールが貼ってある。まるで魔法にかけられた様にすぐさま手を

伸ばし、本を胸に抱いてレジへ。本体価格1000円が280円になっていた。


以前にも書いた記憶があるが、Zoetropeとは回転のぞき絵(装置)のこと。円筒の内側に

連続した動きの絵がぐるっと貼りつけてあり、その上部の所々にスリットが入っている。

円筒を回転させながらスリットを覗くと一枚ずつだった絵が動画に見えるという、映画の

ご先祖様みたいなものだ。ゾエトロープ、ゾーエトロープ、ゾートロープ…と、呼び方は

いくつかあるが、実際にはゾウイトロープが最も近い。Zouee-tropeみたいな感じだ。


私はこの装置が好きで、むかし個人事業の登録をする際に、屋号をzoetropeにした。そ

の際ドメインもこれで取ろうとしたら、既に誰かが使っており、どこの誰だ?と思って検

索してみた。すると出てきたのは、なんと!フランシス・フォード・コッポラの会社だった。

リアルタイムでコッポラ作品を観てきた者としては、なんとも嬉しい偶然だ。コッポラに

詳しい人には、私がマネをしたと思われてしまうかもしれない。が、違う! もう30年も

前のこと、アメリカ出張の際にロチェスターの映画博物館を訪れ、そのミュージアム・

ショップでzoetropeを見つけ、気に入って購入したのがきっかけだったのだ。まさかコッ

ポラの会社名になっているとは知らなかった。そして厳密に言うと、本家本元はZoetrope

だが、こちらはzoetrope。微妙に違う。こだわりがあって頭文字を小文字にしたのだった。

ちっちゃなこだわりです。はい。

本を持ってカフェに入り、早速ページをめくると、序文に嬉しい事が沢山書いてあった。

ワクワクが止まらない…が、それはまた別の話。


戻る