映画だ〜い好き        文は福原まゆみ


尾形映画プロデューサーの友人が仕切る映画制作会社で働く映画好き女史が
エッセーを連載してくれてます。
映画女史、専門的視点から様々の要求要素が広がるようです。




【カメラ選び】


現在抱えている映画の企画のうち、短編作品は自分でも撮影するため、暫く使って

いなかったカメラを取り出し点検した。かなり丁寧に扱っていたからまだ綺麗では

あるけれど、古いカメラだし、大きいし、これは買い替え時なのだろう。カメラを

頻繁に回さなくなってから4年ほど経つだろうか。その間の機材の進化と私の筋力

の低下は、夢なら醒めてと願うほど甚だしかった。


と言う訳で、軽量化と機動性を考えつつ私のカメラ探しが始まった。それはワクワ

クする冒険であり、同時に闘いでもある。なぜ闘いか。孫の運動会を撮るおばあ

ちゃんとしてではなく、映画を作る人として対応してもらうのがことのほか大変だ

からだ。戦略を練り理論武装して挑まなければ、お店のお兄さんに「iPhoneでポ

チっとやればきれーにとれますよ」とか言われ、そちらの売り場に案内されかねな

いのだ。確かにそれで作られる映画もあるが…。


フジヤエービック、ヨドバシカメラ、ヤマダ電機…と、いろいろ相談しながら回っ

ていると、いかに自分が浦島花子になっているか思い知らされる。孫撮りばあちゃ

んと思われるのも無理はない。今出ているものは民生機でも軒並み4Kだ。既に4K

が標準になっているとは!と言うことは、パソコンのスペックも上げないと編集が

厳しくなるではないか。あぁ、なんとハードルの高いことか!貧乏人フレンドリー

にしてもらいたいものだ。


ネットでも調べ何人かのカメラマンにも相談して、ムービーカメラならこれ、一眼

レフならこれ、と目星が付く。一眼レフは既に持っている方から一週間お借りして

試しているが、感動的に軽いし、ボケ味の良さと言ったらない。ピント調整と音声

は対策が必要みたいだけど、暗部での撮影にはかなり強そう。ただ長時間撮影には

やはりムービーカメラの方が向いている。う〜んあと2〜3日迷おう。


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