映画だ〜い好き 文は福原まゆみ
尾形映画プロデューサーの友人が仕切る映画制作会社で働く映画好き女史が
エッセーを連載してくれてます。
映画女史が、国民的人気映画について語ります。
寅さん
「明治は遠くなりにけり」と言われていたのは昭和の時代。今はもはや「昭和
は遠くなりにけり」となってしまった。たまには昭和に帰りたいと思って『男
はつらいよーおかえり寅さん』を観に行ったら…昭和じゃなかった。そりゃそ
うだ。光男を主人公にして現代の設定でやるしかないだろうと、納得。それに
しても光男がいきなり男ヤモメになっていて、周りもみんな老けているから、
やはり昭和は遠くなりにけりだ。変わらないのは寅さんだけ。回想に出てくる
寅さんは、私たちが良く知るあの昭和の寅さんだ。
私は決して熱烈な寅さんファンではなかったから全作を観ている訳ではないけ
れど、超私的寅さん総選挙を試みる。
セリフ一位:「あいかわらずバカか?」
渥美清のアドリブらしいが最高!
次点:写真撮影時の御前様の「バター」
これで笑いを取るには言い方が難しい。
爆笑場面一位:メロン隠し
皆が高級メロンを切って食べているが、寅さんの分が勘定に入っていなかった。
そこに寅さんが帰ってくる。見つかったら大変だと、一斉にテーブルの下に隠
す場面。
次点:電信柱の陰隠れ
灼熱の沖縄で、細〜い電信柱の陰に隠れるように涼む場面。
マドンナ一位:吉永小百合
ただ、さくらの倍賞千恵子とイメージが被るし、出演回数を考えても一般的に
はリリーが一位になるのだろうなぁ。
次点:太地喜和子
ニッチ過ぎるか。一般的には今回22年ぶりに女優復帰した後藤久美子だろう。
さて、それぞれのタイトルは?と訊かれても…「こまった〜、こまった〜」
『男はつらいよーおかえり寅さん』
監督/山田洋次
脚本/山田洋次、朝原雄三
撮影/近森眞史
出演/吉岡秀隆、後藤久美子、倍賞千恵子、前田吟、美保純、歴代マドンナと渥美清
2019年/日本/カラー/116分子