2/25のねこさん       文は田島薫

ニケが家出


いつも早起きの家人が6時ごろには玄関前にいるむんとニケと外からたいていやっ

てくるパネにごはんをやってるんだけど、きのうの日曜、朝寝坊してしまい、7

時半ごろ行くと、むんしかいなかった、って、でも昼過ぎごろになると、むんの

他、パネとバットも来たんでごはんやったんだけど、ニケは来ず、とうとう夜に

なっても翌日の今も姿を見せない。ニケは一番人なつこくて、ほとんどわが家の

近くから離れないし、われわれの姿を見つけるとすぐにそばへやって来るんで、

われわれもそれに慣れて、あんまりかまってやらないせいか、ひとりぽつんと庭

のまん中に座って、っこっちを寂し気に見てるようなことが増てたような。


なんだか、ぼくはあんまりここの家の人に好かれてないのかもな〜、こっちから

あいさつに行っても、いつもあんまりうれしそ〜じゃないし、他の連中がかまわ

れてるんで、ぼくもぼくも、って近寄ると、手で押出された時もあったし。それ

に今朝はごはんも出してくれなそ〜だし、そろそろ、前のおばさんとこへ帰った

方がいいのかな?あ、あっちでいつも通る人が手まねきしてるね〜、はいはい、

ぼくですか、ぼくはひまですよ〜、あ〜、なでてくれるんですか、ぼくのこと気

に入ってくれてるよ〜ですね〜、なんだか、うれし〜ね〜、この人といっしょの

方がい〜かも、え?ついて来い、って?そ〜、じゃ、そ〜すっか。


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