●連載
虚言・実言 文は一葉もどき
横浜が縄張りの元タウン誌ライター。
貧しさにもめげず言の葉を探求し、人呼んで“濱の一葉”。
ウソ半分、ホント半分の身辺雑記を綴ります。
もどきさん、どっかからやって来た植物の世話をしました。
ワクワクのちガックリ
種を蒔いたわけでもないのにサボテンの植木鉢の端から、突然双葉が出た。
若草色が美しくそして力強い。
これは絶対雑草じゃない。何かの種が飛んで根付いたのだ。
(なんだろう?)ととりあえず毎日水やりをした。
そのうちにツルがでて地面を這うようになった。
(おや、これはメロン? いや、ンなわけないよね?)
なんて勝手に想像して毎日水を掛け欠かさず観察する。
苗はスクスク育ちツルは1メートル位になり、手のひらサイズの葉と共に小さな黄色の
花を咲かせるようになった。まさかメロンということはないが、なにか実がなりそうで
ワクワクした。
夫に見せたら
「きっと、カボチャだろ」
と即座に言う。
メロンからカボチャに格下げだけれどとにかく食べられるものがなるかも! 私は期待
でワクワクした。
そして一ヶ月以上が経ってのに、小さな黄色い花をたくさんつけたのに肝心の実がなか
なかならないので。そのうち花もあえなくしぼんでしまったではないか。
最近寒くなって、あの勢いよくすくすく育ったツルも葉っぱもて弱ってきて、黄ばんで
枯れそうだ。
遂に実を結ばず正体もわからず、しおれてしまった
肥料もやらずなんの手入れもされず、ただ期待だけ大きくかけられたかぼちゃ(?)の
哀れな一生だった。