9/3のねこさん 文は田島薫
ミケ、かまえる
土曜の夕方雨が上がったんで、風呂入ってる家人の代わりに私が近所のスーパー
へ純水をもらいに行く途中の稲荷神社となりの家。狭い庭の発泡の箱ん中にミケ
がいるかな、って顔を移動させて生け垣の葉をよけながら見てみて、いないこと
を確認するのにしばらく時間かかったんだけど、じゃ、さて行くか、って歩き出
したら、私の目と同じ高さのすぐ横の石の門柱の上にミケがいつもなら寝そべっ
てるのにきょうは立ち上がって身を後ろにのけぞらしながら私を目を丸くしてみ
つめていた。お、いたのか、って声かけても、同じ姿勢のまま固まってる。そば
行けば逃げそうなんで、だいじょぶだいじょぶ、って言って別れた。
やっとうっとーしー雨がやんだから、ここで寝そべって風に当ってっと、いやい
や、さっぱりしてい〜気持だね〜、空気もきれいになったよ〜だし、草さんや木
さんのい〜においにつつまれたこの静かなわたいだけのベッド、さいこー、つっ
てるってーと、またあの2人組のそれも感じわりー方だけがいつのまにか、わた
いんちの方のぞいてんね〜、やな感じだね〜、やめろー、ひとんちのぞくな〜、
にゃろ〜、あ、わたいがいないのに気がついたよ〜だね、で、こっち来る、やば
いっ、来んな、こんにゃろー、あららら、こんなそばまで来ちゃった。ど〜すん
だ、わたいをつかまえよ〜、ってのか、きしょー、手がちょっとでも出てみろ、
こっちは、すぐに逃げる用意できてんだかんな、こんにゃろ〜。