8/15のねこさん       文は田島薫



黒とらがおあいそ


先週の土曜日の少し暑さの治まった午後、久しぶりに家人と自転車で向かう食料買い出し、

途中のねこよこちょう入口角の家の庭のぞくと、テラス手前の縁台の奥に黄とらが向こう

向いて寝てるのが見える。黄とらしかいないか、って言いながら通り過ぎたら、後ろから

家人が、黒とらもいるよ、って言うんで戻ると、駐車スペースの車の前、われわれのすぐ

目の前に黒とらが座ってた。家人しゃがんで、おいでおいで、いいこだね、とかなんとか

言って手招きしてる、私は後ろでながめてると、ねこさんしばらく考え込んでから、意を

決したように歩いて来て、立ったまましばらく家人になでられて、じゃ、ってわれわれが

出発して、ふり返ってみると、こっちを呆然と見送ってる感じ。


いやいや、きょうはそんなにあちくなくてよかった〜、だから、ちょっと気分変えて、こ

こなんかどうかな休むのに、ん〜ん、ちょっと道から近過ぎっか〜?ここだと、だれかが、

通って、立ち止まってでもしてみろ、めんどーなことになるぞ、急につかまえられたり、

こっち来いだの、言われて体じゅうなでられたりしちゃって、休んでるどころじゃなくな

るかも、おし、じゃ、ここはやめて、って思ってるとこに、急にあの2人組だ、おいおい、

こっち来い、ってか、どーすっかな、ここで、いやだ、って言っちゃうと、後でいじわる

されちゃうかもしんないし、もー、しょーがないか、ちょっとだけだぞ、はいはい、なで

るんですね、もーいーですか、まだですか、あーよかった、行ったよね、行ったよね。


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