11/7のねこさん       文は田島薫

黒とら、おあいそなし


先週の土曜の午後、家人と自転車で食料の買い出しに出かけた途中のねこよこちょう入口

角の家、庭をのぞくと、ねこさんたちいなかったんで、きょうはちょっと寒いし、だれも

いないんだろうな、と、行きすぎようとして先週黒とらがいたあたりの足元も一応確認し

ながら向こう見ると、5メートルぐらい先の家の壁の手前の敷石の上に黒とらが背を丸め

てうずくまってた。家人とふたりで、よ、って手まねきしてみたら、ねこさん、ちらっと

こっちを見たものの、すぐに目をそらししらんぷりしてるんで、無理に呼ぶのもかあいそ

〜か、って思いわれわれはすみやかにペダルを踏んだ。


いやいや、きょうはさみくてあっちの台の上や下じゃとってもいらんないから、こっち来

ていろいろためしたら、ここがわりあい風も来ないし暖ったかいかな〜、ん〜、そ〜でも

ないかな、でも、こ〜やって、丸くなってっと、少しづつ暖ったかくなってきた気もすん

ね〜、も〜ちょっとのしんぼ〜だね、こ〜やってればだんだんもっと暖ったかくなって来

るかも、つってると、あの2人組が来た感じだね〜、めんど〜だね〜、さいわい、きょう

はあっちのすぐそばにいなくてよかったね〜、ここなら、つかまる心配もないから、こっ

ちがあっちに気がつかなかった、ってことにすればい〜わけだかんね、いや〜、ほら、ぼ

くはこ〜やって、うとうとしてるもんだから、あっちでだれかがなんか言ってても、ぜー

んぜん気がつかないね〜、だれも見えないね〜、なにも聞こえないね〜、ってか。


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