11/14のねこさん       文は田島薫

考える小ミケ


少し暖かかったきのうの日曜の午後、私ひとりで近所のスーパーへビールなんかを買いに

行った途中の稲荷神社となりの家の狭い庭。だいぶ前にグレーも大きい方のミケもどっか

へいなくなっちゃってて、2つの発泡の箱には小ミケだけがたいていはいるんだけどいない

こともあるんで、あたりを見回しながら歩いて行くと、奥の家へのアプローチの一番奥で、

当人が寝そべってこっちを見ているのがわかった。歩きながら、よ、って手をあげてあい

さつして、アプローチのはじまる階段の手前の道路まで来て立ち止まり、また、よ、って

手をあげたら、ねこさん、耳をぴくっとさせながらこっちをじっと見ている。しばらくの

間、目を合わせてたら、ねこさんふと目をそらしたんで、こっちもその場を去った。


いやいや、みんなどこかへ行っちゃっうはだんだん寒くなっちゃうは、で、さびしー、っ

て気分なんだけど、きょうは少し暖ったかくて、こーやって、寝そべってると、昔みんな

で寝そべってた頃のこと思い出すね〜、や〜、あの頃も特に楽し〜、ってほどのこともな

かったんだけど、黙って一緒にいるだけで安心な気分だったんだよね〜、ま、今だって、

ごはんくれるやさしーおばさんがいるから安心は安心なんだけど、おっと、あっちからだ

れか歩いて来ながら手上げてるね〜、お、とまって、また手上げてる。あの2人組の感じ

いーほうじゃない方だ、こっちはあいそよくないからあんまし好きじゃないんだよねー、

手なんか上げてるけど、どーゆーつもりなんだろね、友だちになりたいのかな?でも、か

んたんにこころゆるしちゃきっとやばいんだよね、あ〜あ、離れててよかった〜。


戻る