10/31のねこさん 文は田島薫
黒とらがおあいそ 2
先週の土曜の午後、私ひとり自転車で食料の買い出しに出かけた途中のねこよこちょう入
口角の家、庭をのぞくと、黄とらも黒とらもいなかったんで、ひょっとすると、黒とらが
裏の向こうの台の上にいることがあるから、って駐車スペースの向こうをながめたんだけ
ど、黒とらはいない。やっぱりだれもいないか、ってペダルをこごうとした時、どっかか
らねこさんが私を呼びとめるような声がしたんで、見回そうとしたすぐ1メートルほどの
目の前に黒とらがこっちを見てる。お、お、って言って、近づき頭や首のまわりを何度か
指先で軽くたたいてやったら、それが終了するのを待ってから黒とら、ゆっくり向こうむ
いてとなりのへいの裏側へ去って行った。
さて、きょうはあんまり暖ったかくないし、あにきもいないから帰っかな、って、ここま
で来たら、お、あの2人組のひとりが、急に目の前に来て向こう見てるね〜、ひょっとす
っとぼくを探してんのかな?、そんなことはないと思うけど、いちお〜、声かけてみっか、
ぼくならここですよ〜、お、やっぱり、そ〜か、なんの用かな、頭なでんの、はいはい、
い〜ですよ、え?も〜、い〜の?なんだ、じゃ、ぼくはいそがし〜から、行くね。