1/26のねこさん 文は田島薫
迷い足のねこさん
先週の中ごろ、近所のスーパーにビールの買い足しなどで出かけた帰りの稲荷神社と
なりの家の狭い庭。見ると、ちょうどガラス戸が少し開けられて家のだれかがねこさ
んにごはん出そうとしてるらしく、ミケのひとりが地面から体をななめに伸ばして前
足をそこにかけて待ってるとこのようだった。ふーん、って見てると、そばにグレー
もいて、グレーはこっちに気づくと、少し考えてから、垣根をぬけてこっちへ来た。
ごはんだから来なくていいよ、って言ってみたんだけど、少し後ろを気にしながらも
そばまで来たんで、背中をもんでやった。なんだか少し落ち着かないように見えたん
で、じゃ、って言って後ろふりむかないで私は帰り、左手の坂を下る前にちょっとそ
っちを見てみると、グレーはごはんの方へ戻ったらしかった。
さて、ごはんだごはんだ、いやいや、はらへったね〜、あにきはいないのかな?ちょ
っとまわりを見回して、と、あり?だちの2人組のひとりがこっち見てるぞ、しょー
がないね〜、ちょっと行ってやっか、ぼくの分のごはん残しといてよー、たのむよー、
っつってから、重い足をこっちへ運んで来て、と、背中なでんのね、はいはい、ど〜、
楽しんでもらえたかな?さて、そろそろ、きみは帰った方がいいんじゃないのかな?
お、ほんとに帰るか〜、や〜、わり〜ねわり〜ね、ぼくの方はほら、ごはんの時間だ
ったもんだからさ、今度来た時にはゆっくりあそんであげられると思うからさ、いや
いや、よかったよかった、はやく帰ってくれて、たすかったね〜、とととと。