冬の愉しみ その2
冬枯れの雑木林を歩く。
足元には乾ききった落ち葉がかさこそ。
人の手が入らないのびのびと思いっきり枝を伸ばした樹木の群れ。クスノキ、ツバキな
ど常緑樹もあればクヌギやコナラなど落葉樹もある。
始めは木から圧迫感を感じたり、静かさに包み込まれた不安感があったのだが、
そのうち樹木の静かな息遣いが聞こえるような、或いは上から見下ろされているような
視線を感じる不思議な感覚になる。
林が生きている・・・
と、でっぷり太った貫禄十分なおじさんのような樹があった。吸い寄せられるように近
づく。
まず根元の太くごつい幹を見、目線を徐々にあげていくと、横に縦横無尽に伸ばされた
枝があり、その枝にもまた枝をつけている。さらに上へ上へと枝をつけ、さらに細かい
枝の繰り返し。最後に思いっきり首を持ち上げて見上げたてっぺんの先には、青い冬空
をバックに網目のように細かい枝が広がっていた。
まるで線香花火のよう。
ごつごつと太い幹の大木のおじさんの先端がこんな繊細なレース状になっているなんて
…知らなかった。
葉をつけていた時は見られない裸の姿。
普段は葉っぱで人当たりの良いおじさんでいるのに、素になればかなり複雑で個性的な
のである。
自分の姿はこうなんだ、と揺らぎない自信に満ちて主張しているようだ。それは一途で
あり、一徹でもある。
木の人生は年輪だけじゃない。姿・形も張り巡らす枝振りも木の本質なんだって気が付
いた。
雑木林ではどの木も光を求めて外へ外へ、空へ空へと向かい生存競争が激しい。だから
生気に満ち満ちている。
とても幸せそうだ。
そう、ただひたむきに生きていることが最も幸せなのかもしれない。 |