4/8のねこさん 文は田島薫
あんしんねこさん 2
1週間前の土曜日の午後、家人と駅前のスーパーへ食料の買い出しに行く途中のねこよ
こちょう入口角の家の庭をふたりでのぞくと、テラスにシックが寝そべっていた。
少し寝てる位置が庭側のへりによりかかってるのをのぞけば、シックの様子はこの前と
ほとんど同じなんだけど、そん時と一番ちがうのは外に奥さんがいないことだった。
お、またいた、って言いあいながら、手を上げて合図してやると、シックはうなずいた
ような顔してから手足を伸ばし、向こう向いて寝転んでしまった。
や〜、この台の上の昼寝はいつもサイコー、気持ちいいんだね〜、だれにもじゃまされ
ないし、こ〜、まわりの木や花なんかをぼ〜、っとながめるのもいいんだね〜、あり?
ぼ〜、っとながめてる向こうにまたあの二人組がこっち見て手上げてるぞ、また来ちゃ
ったか〜、こないだぼくがオース、って言ってあげちゃったもんで、はいはい、わかっ
たわかった、お〜す、一応あいさつはしたかんな、じゃ、も〜、あっち行きなさいよ〜、
またなんか言われたりすっと、返事がめんどーで、おちおち昼寝できなくなっちゃうか
らな〜、も〜、向こう向いちゃお〜、ぼくは寝てますよ〜、返事できませんよ〜。