7/23のねこさん 文は田島薫
活動家のねこさん
前日記録的な猛暑だったのに肌寒いぐらいになった翌日の土曜日の午後、食料の買い出
しに自転車で出かけた途中のねこよこちょう入口角の家、庭をのぞくと先週、台の下で
グロッキーになってたねこさんらしいのが、きょうはテラスのてすりの上にいる。
こころなしか余裕の表情であたりをながめたりしてる。よかったねきょうは涼しくて、
って通り過ぎ、買い出し済ませて戻って来ると、ねこさん今度は地面に下りてて、こっ
ちを見てる。こっちもあっちを見てると、こっちへ来ようとする素振りを見せてから思
い直したように立ち止り腰を落すとしっぽの毛づくろいを始めた。
きのうは暑すぎて死ぬかと思ったんだけど、や〜、きょうは涼しくてい〜ね〜、も〜、
台の下なんかにいなくてもいいんだね〜、こ〜、お日さま当たるとこにど〜ど〜と座っ
わっちゃってさ、木や草や花なんかをながめちゃうんだね〜。いやいや、まいった。で
も、なんだか、じっとしてるだけじゃものたりない気分にもなってきちゃったね〜、ど
っかの草原を、た−っと走り抜けたいような気分もあんね〜、とりあえず、下にぴょん
と下りてと、どっかに草原があったっけかな?で、あっち見るとだれかがこっち見てる
ね〜、ぼくは草原に行きたいんだけど、あの人が通り道に立ってるのじゃまだな〜、ま、
ちょっとあの人が行っちゃうまで待つか、待ってる間にも体動かして身だしなみも整え
ちゃうぼくって、なんて活動家なんだろ〜ね〜、いやいや、まいった。