6/18のねこさん 文は田島薫
しろくろいっか
先週の日曜日、6キロ先のスーパーにママチャリで買い出しに行った帰り、このごろ帰
りの定番になった道にある、前回山見てたねこさんふたりがいた家、通ったら、今回は
黒ねこさんがふたりに白ねこさんがふたりいた。黒ねこさんのひとりは他の3人より大
きくて手前に寝そべってて、白ねこさんのひとりは真っ白じゃなくて、ちょっと灰色の
ぶちがあり、その白ねこさん黒ねこさん白ぶちねこさんは後ろのなんかの大きなおりの
ような前にいて、白ぶちねこさんだけそれによじのぼろうとしていた。ママチャリ止め
てじっと見てたら、全員こっちに気がついて固まった。やがて小さい方の黒ねこさんだ
けななめこっちへ小走りしてきて、横のしげみに入った。後はいつまでも位置に変化が
ないんで、立ち去ろうとペダルをこぎ5メートルぐらい進んだらそばの畑の手前の足下
でさっきの小さい黒ねこさんがこっちを見て固まってた。
おい四郎、ぼくらはこうして落ち着きがあるのに、なんであの半二郎のやつはあー落着
かないのかね〜、ほんとだよな九郎、じっとしてた方が楽ちんなのにな。ところで、だ
れかがこっち見てるぞ、あ、ほんとだ、半二郎のやつも動きが止まったね、止まってる
けど落ち着きがある、ってことではないんだよな、こわいんだな、止まってるけど落ち
着かない、ってことだな、それにくらべ、落ち着いてるぼくは、ほら、こー、あっちの
あやしい人の方へわざわざ行っちゃうよ、ほらほら、って行き過ぎはやばいからちょっ
とななめに、どーだ、みんな見てるか〜い、ほらほら、どんどんななめに行って、ここ
まで来ればもーこわくない、じゃなくて、こんなに動いても落ち着いてるぼく。ってい
っててふと顔上げたら、こんな近くにさっきの人だ、や、やばい、ばいのばいのばい、
なんだかぼくの、こ、こしが上がらない、のないのない。