5/1のねこさん 文は田島薫
歌いながら歩くねこさん
連休初日(?)の日曜の午後ママチャリに乗り6キロ先のスーパーで食料の買い出しし
た帰りの畑や牛舎があるのどかな道のわきに作物を収穫した後耕したかなり広い黒土の
スペースがあり、その向こうのへりの草地に沿って、胸から前足と後ろ足の先だけ白く
て後は全身まっ黒なねこさんが歩きにくそうに歩いてた。ママチャリ止めてじっとなが
めながら、ちょちょ、って舌で合図すると、ちょっと立ち止まって、こっちを見てから
またしばらく歩きにくそうに歩き、立ち止まってこっち見て、また歩き、ずっとそれを
くり返して、ずっと先の黒土の終わった草むらの中へ入っていった。
ぼくんちから散歩に出かけると行きも帰りもどうしてもここ通んないとだめなんだけど、
ここ歩きにくいったらないんだよな〜、ま、いなかぐらしのねこのぼくとしては、草や
土の上歩くのは得意な方なんだけど、なにがおもしろいんだか、おっさんがこー、土掘
り返しちゃうもんで、ぼくは、だめだよー掘り返しちゃ、って言ってるのにゆーこと聞
かないんで困っちゃってるんだ。ま、だから、こまったおっさん、ほっちゃって、だめ
だつってんのに、ほっちゃって、って歌いながら歩いてるわけなんだけど、あり?向こ
うでぼくを見てる人がいるね〜、なんでっか?なんかようでっか?ようじゃないなら行
きますよ、ぼくは今忙しいんで、なんせ、歩きにくいところを歌いながら歩かなくちゃ
いけないんだから、こまったおっさん、ほっちゃって、だめだつってんのに、ほっちゃ
って、よいしょよいしょ。