4/23のねこさん 文は田島薫
きいろぶちが来る 3
先週もねこさん来ないもんで、土曜の午後ねこさんうじゃうじゃの家行ってみたら、ま
たクロたちは出かけてて、家の中から毛なががふたりでこっちを見てるだけだったんで、
話が盛り上がんないね〜どーすっか、って思ってたら、きのうの日曜の昼前、庭の手作
り池のコンクリ橋をきいろぶちが渡って行くのが見えた。お、いいぞいいぞ、なんかお
もしろいことしてくれるかも、って見てたら、途中で立ち止まってふり返ることも寝転
がって伸びすることも金魚見て手伸ばして足ふみはずして池へ落ちることもなんにもせ
ずにどんどん歩いて行き、自然に左にまがり廃屋のベランダに通じる階段登って行っち
ゃった。おいおい、左はこのあいだこっちに気をとられて間違えて上がったはずなんだ
から右に行って外出て行かなきゃ話にオチがつかないだろ、って。
しょうがない、こないだは、ビスケット無視されたから、今度はにぼしにぼし、って家
人やおふくろとも意見一致、それ持って外出て階段の下行こうとしてると、気がついた
きいろぶちベランダで慌てている。
久しぶりに来たね〜、ここ、なんでここに来にくくなっちゃったんだっけな、よく思い
出せないね〜ねこのぼくには、ただ、こ〜、歩いてるだけなんだけど、なんだか、後ろ
からだれかに見られてる気がすんね〜、やばい、ふり返っちゃいかん、こ〜、気がつか
ないふりして、ゆっくり歩いて出て行っちゃえばいいんだな、いちに、いちに、いちに
と、あり?また目の前に階段が、前にも同じことがあったような、しょーがない、いち
に、いちに、って登って行くと行き止まり。あ〜、またあっちから人が来た、眠り薬入
りのにぼし持って。