8/3のねこさん 文は田島薫
きれいずきねこさん
ねこよこちょうのよこ道の袋小路の話は2回ばかり書いたんで憶えている人も多いと思う
んだけど(なに?全然憶えてない?そんなこといちいち憶えてらんない、だって?え〜?
先々週のだよ〜、あっそっか、あんまりおもしろくない、って言って読む人減らしちゃっ
たんだった。今回はそれ言うのやめとこ〜、ま、なんでもいっか、気にしないで話進めな
いと、すごくだらしない文章になっちゃう。え?いつものことだろ、って? なんてやっ
てると切りがない)、そこにくろとらがいて、道のわきのこの前、ちらかった室外機の上
にねこさんがいた家の道路沿いの方の垣根の足元がきれいに開いてて建物とのすき間が20
センチ強ぐらいしかないけど、適度に垣根の木が目隠しになったなかなかきれいなスペー
スになっていて、そこに入って行くと、気持よさそうにしっこをした。で、そこからゆっ
くり前へ歩き小さいけど手入れされた植物のトンネル散歩といった風情を楽しんだ後ゆっ
くり出て来て、その家のうらのちらかった室外機のある「個室」や、伸び放題のちいさな
大自然に見向きもせずに、道路の向かいの家の奥の玄関までのこれまたきれいに手入れさ
れた庭に沿ったアプローチに入って行こうとしていた。
私が自転車止めてそれをじっとながめてたら、くろとら、少し入ったところで、ふり返っ
て、目が合った。
なんなんだい?ぼくに用でもあるのかい?どーもさっきからぼくがしっこしてるのもなが
めてたようだけど、なにかおもしろいとこでもあったのかな?ぼくはきみになにか頼まれ
てもするつもりもないし踊ってみせるつもりもないんだからね。ぼくはきれいにかたずい
てる所で、自分の思うまま静かに歩いたりして地味に生活するのが好きなんだから、って
顔が言うので、私もりょうかい、って顔で言うと、向こうへ向き直ってゆっくり奥まで地
味に歩いて行って私の視界から消えた。