赤飯ものがたり
久しぶりにお赤飯を炊いた。
何かいいことがあったのかって? いいえ、何もございません。
私はあのもっちり赤いご飯と豆が大好きなのである。うれしいにつけ悲しいにつけ炊く
のが私流。不思議とお赤飯を食べると元気もりもり湧いて、エンジンがかかりもうひと
頑張りするかと腕まくり状態に入れるのだ。
ものの本によると、古くから赤い色は邪気を払い、厄除けの力を持つと信じられていた
とか。そのため昔はお赤飯が神事の際のお供え物のほか、葬式などの厄払いにも食べら
れてきて、慶事に食されたのは江戸時代になってからと書いてある。
ほらね、うれしいときも悲しいときもお赤飯というのは大正解。
作り方は私の場合、もち米と小豆より少し大きいささげ豆を使い、圧力鍋で炊く。炊き
上がると部屋中に甘やかなご飯と豆の豊かな香りが漂い、これを幸せと呼ばないでなん
としよう。
今回の私の赤飯食儀式はというと、
最近、巷では桜だ花見だって浮かれているというのに、なんとなく私の体のすみずみに
力が入らない。なんか自然界に満ちている新しい芽吹きのエネルギーや急に強さを増し
た光のパワーに、私のすべてが吸い取られてしまったような虚脱感・・・
厳寒のときあんなに元気で春になったらあれもやろう、これもやろうと決めたのに、こ
こへきてすべてが億劫になるなんて・・・
春愁? プチうつ? 笑わせないで! 柄じゃない!
やっぱ、ここはひとつお赤飯パワーの出番でしょう。
というわけ。
ちなみに、赤飯に添えられる南天の葉は、腐敗を防ぐ薬効があるのと「難を転ずる」と
の意味が込められているのだそうな。
ナットクの一品。 |