シリーズ リポーター奮闘記
地図の読めない女
以前確か、「地図の読めない女と話を聞かない男」という本がベストセラーになったこ
とがある。「話を聞かない男」はさておいて、「地図の読めない女」はなんとなく納得
がいく。
私は仲良し4人組とときどき小さな旅をするが、目的地を決め地図まで用意しても、道
に迷うと4人とも地図を広げる前に通る人に「すいませーん」と声をかけてすぐ聞いて
しまう。応じてくれた人には4人の1オクターブ高い声の「ありがとうございましたー」
の笑顔付き合唱で礼をいう。つまり地図を読むどころか口で解決しようとするのだ。こ
れは女性全体の問題ではなく単なるおばさんの習性かもしれないけど…
でもいわせてもらえば、運がいいと「こう行って、ああ行って。あのね、あそこの角の
家は昔庄屋だっだのよ。長屋門が立派だから見て御覧なさい」なんて親切に教えてもら
えることもある。こういう友好的な人は大抵世話好きなおばさんだったりして、おばさ
んもまんざらではないのだ。
話がそれた。
私は自慢じゃないがかなりの方向音痴である。
ある建築会社の月刊PR誌に「お宅訪問」シリーズを手がけたことがある。その会社が請
け負った新築のお宅を訪問して、早くいえば自慢話をまとめる記事である。
いまどき土地を買って新築するのだから結構辺鄙な場所になってしまう。会社から渡さ
れた住所と簡単な地図を渡されて一人で訪れるのである。
今のようにPCから詳細な地図を手に入れることもできず大抵迷った。あらかじめ道順を
頭に描いていくのだが、想像と異なるともうお手上げで迷路に入ったようなもの。約束
の時間は迫るし、携帯電話もない、人に聞こうにも通行人がいない、店はないのないな
いづくしでもう泣きたくなったものだ。そのときの緊張、焦りったらない。いまだに道
に迷って途方にくれている悪夢にうなされているほどだ。
皆さん、迷い人がいたら親切に教えてあげましょうね。地獄に仏、とはこんなときです
から。 |