シリーズ リポーター奮闘記
美人は1日にしてならず
ドアをあけると耳をつんざくようなビートの利いた音楽が流れていた。前面が総鏡張りの
広いスタジオでは2〜30人の女性がエアロビクスに汗を流している。
ここは女性のための痩身教室。肥満に悩む女性たちが運動と食事の管理によって痩せよう
と日夜頑張っている。
音楽が止むと、若い男性トレーナーが大声を張り上げていった。
「皆さん、お疲れ様でした! それではこれから見事に目標減量を達成した方たちをお祝
いする減量完了式を行います。お名前を呼ばれた方はどうぞ前に出てきてください」
祝賀の音楽が流れ、同時にダブルのスーツをリュウと着たあのマギー司郎もどきの社長が
スタッフを従えて現れた。3人の目標減量完了者の名前が読み上げられると驚きと喜びの
歓声があがる。ボリュームアップのファンファーレが鳴り響き、期せずして周りから拍手
が起こり、「おめでとう」の言葉が飛び交う。呼ばれた3人の減量完了者は顔を紅潮させ、
さながらスターのように輝いている。社長がおもむろに咳払いを一つして減量完了証を読
み上げ、花束とともに手渡した。すかさずトレーナー達が紙ふぶきを散らして盛り上げる。
多くの女性たちの羨望のまなざしとため息が渦巻く中で3人は感極まって涙ぐむ。
私はすかさずそうした光景を写真に撮りまくった。
ようやく落ち着いた3人にインタビューもした。
今のお気持ちは?
「今まで太っていてコンプレックスの塊だったけど、スリムになって自信がつきました」
「9号サイズの服が着られるのが楽しみです。思いっきりオシャレして今まで私をバカに
していた人たちを見返してあげます」
「食事制限がつらかったけど、減量に成功して嬉しいです。砂糖絶ちしていたのでお祝い
にケーキをおもいっきり食べたい」
なんと女性の痩せたい願望は強く切なく無邪気なことか。しかしその道はストイックなほ
ど険しい。それだけに達成感の喜びも大きい。
ふと、私は美人をつくるのが天職だといった社長の言葉を思いだしていた。 |