8/7ののらねこ 文は田島薫
ねこはのびている
昔、ライオンは寝ている、って歌がヒットしたことがあったけど、同じねこ科の
ねこも、いつも寝てるんだけど、夏のねこは寝てる、って言うより、のびてる、
って方がリアルだ。
きょうも猛暑の中、あっちこちでねこがのびてた。
朝、駅からの路地の生け垣の向こうの土の上で、三毛が寝そべってて、こっちを
見上げて、なんだよー、って顔してたけど、こっちはそんなに思いきり手足をの
ばしてるわけではなかったのは、日陰でまあまあ涼しかったのと、土で体がよご
れるのを最小限にしたかったんだろう、って私は読んだ。
昼前にビールの買い出しのついでに北と南の路地を回ったら、北側にはだれもい
なくて、南の暑い方の路地のコンクリの上でグレーがのびてて、弁当屋の前のバ
イクの下でとらがのびてた。
いちおー涼しい場所探したんだけど、暑くて歩きまわるのがめんどーになって、
その場に寝そべっちゃった、って私は読んだ。
帰って来て、事務所のあるビルと塀のすき間の日陰はこの前バットマンがけづく
ろいしてたから、ちょっとのぞいてみたら、今度はきたなくろがのびていた。
午後になって2階のベランダの日陰でバットマンがのびてたので、近づいたら、
にゃ〜、って言って寝返りをうった。
試しにコンクリの床を触ってみたら、けっこうひんやりしてたから、さすが、あ
ちこちで寝てるバットマンは、きたなくろと共に、気持いい場所知ってる、って
私は読んだ。
それにくらべ南路地のねこさんは気持いい場所知らない、って私は読んだ。
きょうは暑い中、いろいろ読んだ私だった。