●新連載
クーニーズ          文はえんどうくにこ


世間の荒波を凛々しく乗り越えて来たベテランOLエンドーが
世間の矛盾、不正?を次々あばいて行きます!…多分。

今回は、あの気のいい人々が不幸なめに会ってる!彼女の傷心。



ハリケーン

もう一度アメリカ本土を訪れるならニュー・オーリンズと決めていた。

メインランドでどこが一番よかったと聞かれると“ニュー・オーリンズ”と答え

ていた。

2月のマルティグラというカーニバルを必ずこの眼でみたいと思っていた。

味はあまりいただけないのだが、名物カクテル?の名称が“ハリケーン”だった。

その愛すべきニュー・オーリンズの街が大型ハリケーン“カトリーナ”にやられ

てしまった。

バーボン・ストリートやロイヤル・ストリートに並びひしめく、出入り自由な

オープンドアのライブハウスにバーの数々・・・

街じゅうが毎夜お祭りのようににぎやかで、深夜から明け方まで人々は眠らない

・・・

昼間はフレンチ・クォーターを散策、“欲望という名の電車”に揺られて白亜の

豪邸にため息をつく。

奴隷とか黒人差別の意識が直に感じたのも事実である。アメリカの歴史をしんみ

り考えたりしたのも事実である。

私が見たニューヨークの街を闊歩する黒人たちとは明らかに違う。

ルイ・アームストロング公園に一日中すわってお喋りをしている老人たちは、

サンフランシスコのユニオン・スクエアに一日中すわって白い鳩とたわむれてい

る老人たちとも全然違う。

黒人が好きなの?なんて変な質問をされることがあるけど、迷わず『好きです』

とかえす。

どうして?と聞かれると、『開放的な感じと暖かさ』とかえす。

人々の救出と街の復旧を心から祈ります。


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